2016年08月02日

続き・東京都知事選で小池圧勝


報道各社が指摘する鳥越俊太郎の敗因は、

戦いの真っ只中に飛び出した週刊誌の「スキャンダル記事」、

それと、76歳という「年齢」に加えて、野党統一候補とされながら、

「政策」について各政党の主張にまんべんなく触れざるをえず、

結果として都政に向けた鳥越の情熱が十分燃焼できなかったことだ。

自分で担ぎながら、投票日の前日に9月の代表選に出ないと言った、

民進党の岡田克也の信じ難い政治音痴が決定的だった。

私は同業の鳥越の「弱さ」を感じながら、

都政刷新には鳥越を登壇させたいと思っていただけに、

岡田の世間知らずの話にはらわたの煮え返る思いだった。

鳥越応援に身を切ってまで力を注いだのは、他ならぬ共産党である。

週刊誌が報ずるスキャンダルの信ぴょう性が眉唾で、裏で糸を引くワルがいたことは間違いないが、

所詮、この社会はスキャンダルが奥の手として使われ、庶民を動揺させるものだ。

だが、鳥越の弱点を私なりに言うと、

まず、彼はジャ−ナリスととしての品格を思ってか、選挙に欠かせないハッタリができなかったこと。

2つ目は「暮らしてよし」「働いてよし」「環境によし」などというキーワードが弱かった。

「3つのよし」はあまりにも抽象過ぎる。

聴いている有権者が「そうだ!」と思わなかっただろう、つまり、聴衆の心に響かなかったのだ。

少子、高齢、子育て、震災など、都政が直面する緊急課題はあまりにも多く、重たいものばかりだ。

特派員生活は経験したが、社会部出身の鳥越の政治や行政への関心の度合いが具体的でなかった。

突然立候補したのだが、知恵袋の選挙参謀がいれば、政策の取り繕いはできたはずなのだが・・・。

そして、鳥越の演説を聴いていて思ったのは、

演説が上手くなかった。

下手だったと言ってもいい。

「ハッタリ」がなかったと先に指摘したが、

小池の上手すぎる演説を聴いていると、鳥越の「へた」さが嫌でも分かる。

物書きのジャーナリストだから、話はあまりうまくないとしても、

知事選に出た以上、名文を書く以上の知恵を何故、使わなかったのか不思議でならない。


小池は今日、登庁、記者会見で都政改革の青写真を語った。

出来栄えは、正直、良かった。

記者会見の受け答えも型苦しさのない出来だった。

長い政治経験と、テレビキャスターのテクニックを十分に活用し、これに度胸が据わっていたのだから申し分ない。

都議会の自民党は小池のあいさつ回りから逃げ、

またも都民のひんしゅくを買うバカなことをした。

小池が言う「改革」が必要なことを、自民党都連はまたも自ら証明してしまった。


posted by 裁判官 at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京都知事選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月01日

小池圧勝の都知事選を振り返る

東京都知事選は意外なほどあっさりと291万票を獲得した小池百合子の圧勝で終わった。

選挙戦術のうまさは、下手なプロの選挙屋など、足元にも及ばない彼女の度胸と緻密な戦略があった。

自民党都連会長の石原伸晃の、あまりにもずさんでいい加減な選挙戦略が逆に浮き彫りになった。

党都連会長とは名ばかりの、いつまでたっても成長しない。

政治家人生をそろそろ畳んでしまった方がいい。

親爺の慎太郎は、伸晃と同じ年齢のころは、自民党の暴れ馬で馴らしていた。

太陽族の元祖だから、齢をとってもやることが刺激的だった。

苦労もせず、日テレに入社、その後政界に転じたまでは良かったが、

なにせ苦労知らずの2世議員だから、多少派手にふるまってもメッキはすぐはがれる。


ところで都知事選を総括すると、

2位の元岩手県知事の増田寛也(179万票)は、自公推薦の最低レベルの得票で終わった。

自公と自民都連のボスどもが曲がりなりにも一生懸命頑張ったのだから、

もっと小池といい勝負をしても良かったのだが、

なにせ増田には人間的な魅力はなかった。

官僚OBだから、そこそこ政策らしい話はできるのだが、

なにせ彼には難題を切り開くエネルギーがない、感じられもしない。

自公の大神輿に乗せられ、その気になったのだが、所詮は飾りにすぎない。

小池が想定外の行動に出てしまったため、前知事の舛添要一が汚しまくった都政には、

無印でも行政に通じた素人がいいと。

そうすれば、小池にかき回されなくて済むと考えたのだろう。

別に増田に白羽の矢を立てたわけではない、

自公の組織力を回転させれば無印でも勝てると踏んだのだろう。

ところが、その考えが超甘すぎた。

組織を締め付ければ効くと思って出した「通達」が悪すぎた。

非推薦候補(小池)を応援したら、その議員の親族であっても処分≠キるというのだから、

まるで、北朝鮮の若き独裁者が下した処刑≠ンたいなものだ。

党都連のボス名で出されたが、党内からも悪評たらたらだった。

小池には棚ボタ応援歌みたいなものだった。

もし増田が当選でもしたら(確率はゼロだったが)、

増田は間違いなく安倍政権と党都連の使い走りをさせられるだろう。

行政経験を自慢していた増田だが、彼の知事時代の功績は何もない。

岩手の田舎の知事をやった男が、

殺しても死なないような政治ゴロが数えきれないほどいる中央で「行政経験」を発揮できるはずがない。

東京都政のこれからを考えると、

初の女性知事となる小池の過去のキャリアから多少不安なことはあるが、

彼女が今回の選挙で見せたいさましいタンカが、

伏魔殿の都政、都議会に風穴を開けてくれる期待はできる。

※野党統一候補となった鳥越俊太郎については、長くなるのでこの続きで触れることにする。






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posted by 裁判官 at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京都知事選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月29日

都知事選のスキャンダルの裏に何が?



「面白くなければテレビではない」

とテレビ視聴率で他の放送局を慌てさせたフジテレビの不振が話題になっているのは誰でも知っている。

ところで、東京都知事選が始まってから東京都民だけでなく、

全国の関心を引き付けているのが、

野党統一候補となったジャーナリスト出身の鳥越俊太郎の「過去」を暴き出すスキャンダラスな記事だ。

週刊誌が読者の目を引き付ける見出し(中身はないが)で部数を稼ぐのは今に始まったことではない。

読者の好奇心をくすぐり、新聞では分からないような下世話な話題も提供する。

そんな週刊誌の特性だが、

新聞も首をかしげるような週刊誌の見出しを真似て、

新聞も読者受けするような見出しを使うようになった(週刊誌ほど下品ではないが)のは、そんなに古い話ではない。

今回の東京都知事選を巡る鳥越俊太郎に関する記事は、

どんな言い訳をしようとも選挙妨害でしかない。

ネタ元はどこなのか、

埃にまみれた取材メモ≠ェ

都知事選のタイミングで息を吹き返すとは、まともな取材を経験してきた者には全く信じ難い編集である。

週刊文春は先の参院選で、

「安倍首相から直接出馬を要請された」という「トンデモ候補」の出馬について、

彼の記者時代の過去を滔々と書いたが、トンデモ候補は比例で上位当選を果たした。

彼の当選は文春にとっては想定外だったろう。

「売れればいい」ーーは前述のフジテレビの発想と同じだ。

選挙戦最中に、それも根拠があいまいでフォロー取材を欠いた記事を、堂々と誌面にでかでかと載せる感覚は理解を超える。

記事は言うまでもなくデスクワーク、編集責任者の目を経て読者のもとに届く。

当事者はともかく、一般読者は記事に驚きするし、

ガセネタだと一笑にふす人も様々だ。

だが間違いなく、その週刊誌は売れる。話題の選挙ともなれば、通常の2〜3倍は売れるだろう。

紙面の限られた新聞の足りなさを埋めて読者に事件や事故の詳細を届けるのが週刊誌の使命の一つだ。

それが、フジテレビ並みに

「面白ければ」「読者が喜べば」いいなどと軽く考えて店頭に並べられたのでは、

単なる下ネタ雑誌と同じではないか。

だが私が問題だと思うのは、前述したが、

こんなスキャンダル記事が出てきた背景である。

一義的には記者、編集者に問題があるのは間違いないが、

それを「引き出し」、そして「火をつけた」存在の有無である。

選挙に「人気投票」の一面があるのは事実だ。

と同時に、政治・行政のかじ取りを選ぶ手続きだから、

それらに関わる個人や組織にとっては「戦い」でしかない。

勝つためには手段を択ばない。

僅差であろうが、勝ってなんぼの世界だ。

そこには様々な思惑が入り乱れる。

週刊誌が政争に利用されたのか、そうではないのか。

それを見極めることは難しいが、

週刊誌記事の良し悪しを言い合っているだけでは真相は見えない。



posted by 裁判官 at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京都知事選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月26日

鳥越、熱き思いをぶっつけろ

東京都知事選はあと丸4日の勝負となった。

各メディアの中盤情勢調査だと、

小池が序盤からの優勢を保ち、ここにきて増田が組織力を使った強みを発揮しだしたそうだ。

鳥越は序盤の勢いに少しばかり力がなくなり、増田と2番手争いになっていという。

有り体に言えば、鳥越の見識、経験が他の2人を超えるのだが、

選挙というものは、それだけで勝ち負けが決まるものではない。

有権者をどう引き付ける・・・・

人間的な魅力、見識で有権者を唸らせることは大事だが、それだけではない。

時にはハッタリをかますことも必要だし、大風呂敷を広げることも大事なのである。

鳥越の弱点とされるのは、

年齢、週刊誌の女性スキャンダル報道、具体的政策が聞こえない・・・

などである。

ジャーナリスト出身の鳥越が地方行政に弱点がある指摘されるが、

行政とは候補者が店頭のバナナ売りみたいに口上をのたまえば、いいというものではない。

都政が直面する問題は防災、過密、東京五輪、児童福祉、教育など挙げたらきりがない。

そういった問題に、訳知り顔で「私はこうします」というのは、

逆に、「本当にできるのかね」となる。

都庁には霞が関の官僚にも劣らない優秀な役人がごまんといる。

要は、彼らの知恵をどう現実の行政として形にするかである。

「私は地方行政に明るい、経験も長い」という自賛は、役人にとって迷惑至極である。

地方の知事をやってきたというが、東京は1国の経済規模を有する巨大都市だ。

「行政を長いこと経験してきたから、私にはできる」と増田は言うが、

それは、企業に長いこと勤めた会社員が、会社員だったことを自慢するに等しい。

優秀な役人の知恵をどう引き出し、都政に反映させるか。

それこそが、知事に求められるものだ。

神輿に乗せられていい気になっているようでは、先が思いやられる。

魑魅魍魎とした都議会を相手に、神輿に乗った男が仕事をできるはずもない。

ここはジャーナリストとして修羅場を潜り抜けてきた鳥越に都政のかじ取りを託するのがベターだと思う。

残り少ない時間だが、鳥越にはジャーナリストの紳士ぶりをかなぐり捨てて、

熱い想い、都政への熱情をぶつけてもらいたい。

その先には、必ず勝利の美酒がある。
posted by 裁判官 at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京都知事選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする