2016年07月17日

仏・ニースのテロに想う

世界的なリゾート地であるフランス南部のニースで起きた大型トラックを使ったテロを見て、

あらためて、無差別テロの怖さを思い知らされたのは私だけではあるまい。

よりによって、テロはフランス革命記念日を祝う花火大会の日である。

花火大会も終わり、花火の華やかさの余韻のまだ残る時にテロが襲いかかってきた。

大型トラックが、この時を待っていたかのように

見物客が歩く道路を蛇行しながらスピードを上げ、次々と歩行者を跳ね飛ばしたという。


報道によると、事件の現場となった地中海沿いの道路「プロムナード・デ・ザングレ」には約3万人の見物客がいた。

死者80数人、100人を超える負傷者を出す大惨事となってしまった。

どんな場所で、いつ起きるか分からないのがテロだ。

イスラム過激派によるテロが世界各地で続いている。

そのつど欧米各国首脳は最大級の非難の言葉発するが、その言葉は過激派グループに届いているとも思えない。

届いていたとしても、彼らは聞く耳を持たないだろう。

イスラム国(IS)による度重なる自爆、銃乱射テロは攻撃対象をその国の重要施設から、

ソフトターゲットと呼ばれる、ごく当たり前の生活の場を狙いだしている。

そこは市民の日常の生活の場であり、憩いの場でもある。

人々に恐怖心を与えて社会を混乱させ、己の目的を達しようとするのがテロ集団の狙いである。

日本は先の伊勢志摩サミット開催で、かつてないテロ警備態勢を敷いた。

幸い不穏な動きはなかったが、周りを海に囲まれた島国の日本だから大丈夫ともいえない。

日本政府は考えられる最大の水際作戦を敷いてテロ対策に万全を期した。

だが、重ねて言うが、これで大丈夫という態勢は不可能といっていい。

各国との情報を共有、一方で国内監視に目を光らせることはできても、

ニースのテロを見れば、態勢に限界があるのは仕方ない。

2020年の東京五輪・パラリンピックを控える日本に、今回のテロが突きつけた教訓はあまりにも複雑で、かつ大きすぎる。

テロ撲滅で世界が共同歩調をとる重要性は今さら言うまでもないが、

過激派は追い詰められれるほど、新たなテロを引き起こす。

考えたくもないが、

治安当局が国民を総監視する衝動に駆られることがあるかもしれない。

テロ再発防止に全力を投入することはもちろんだが、力をもってだけではテロを壊滅させることはできない。

テロの背景にある「貧困」「差別」を世界的視点から見直すことも大切だろう。

こぶしを振り上げ、振り回すだけでは解決できない現代のグローバル社会の暗部に

テロ撲滅の処方せんがあるのではないか。








posted by 裁判官 at 15:11| Comment(0) | TrackBack(0) | テロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする