2015年05月12日

安倍訪米とマスコミの矜持A

 安倍首相の訪米で注目すべきは、日米関係のこれまでにない緊密さを世界に発信したことです。発信せざるを得なかったと言った方が正確かもしれません。
 なぜでしょうか。
 安倍首相は上下両院合同会議で行った演説で、戦後の日米関係を縷々(るる)説明した後、「私たちの同盟を『希望の同盟』と呼びましょう」と呼び掛けました。なかなか堂に入った名調子≠ノ米議員たちは立ち上がり拍手を送りました。議員らの総立ち≠ヘ十数回に及んだといいます。日本の政治家で、こんな演技をこなした人はいませんでした。
 だからでしょう、安倍政治に理解が深い読売新聞は「首相演説 賞賛の45分 大戦『悔悟』 米議会沸く」(4月30日付夕刊1面トップ)と大々的に報じました。
 同様に産経新聞も1面で「首相『日米希望の同盟』」、3面では「価値観共有を宣言 対中安保『お互いのため』」と、日米同盟が新たな段階を迎えたことを前向きに伝えています。

 社説も見てみましょう。読売新聞はこう書いています。(アンダーラインは筆者)
 「戦後70年の節目に、日米両国が世界の平和と繁栄の維持に向け、主導的な役割を果たす意志を明示した意義は大きい。歴史的な会談と言える。
 かつて戦火を交えた日米両国が和解し、強固な同盟を築き、さらに「希望の同盟」を目指す。そんな未来志向のメッセージは、米側に十分伝わったのではないか。」

 産経新聞の「主張」はこうです。(アンダーラインは筆者)
「首脳会談後の会見で、大統領は日本を「地球規模のパートナー」と位置付け、歓迎式典では同盟が「未来に照準を合わせている」とも語った。首相は「同盟が世界の平和と繁栄に主導的な役割を果たす」と会談で応えた。自由と民主主義、基本的人権、法の支配といった、同盟の根幹にある基本的価値の共有を両首脳が改めて強調した意義も大きい。」


 「歴史的な会談」「基本的な価値観の共有」「未来志向」――両社説が言わんとするのは、両首脳が合意した水も漏らさぬ同盟・連携を最大級に評価していることです。
 そして両紙はさらに、首脳会談に先立って行われた日米外務、防衛担当閣僚会議(2プラス2)で18年ぶりの改定に合意した「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)が日米同盟を一段と強化するだけでなく、オバマ大統領のアジア重視のリバランス(再均衡)戦略に役立ち、これに環太平洋経済連携協定(TPP)の早期妥結ができれば「政治、経済両面で世界に着実に貢献する。それこそが、『希望の同盟』を実現する道だろう」(読売)と論じています。
 まさしく、安倍首相が好んで使う「切れ目のない同盟」が完成に向けて大きく前進したということです。
 こんなに首脳会談を高く評価していいものなのでしょうか。 (つづく)
posted by 裁判官 at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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