2015年05月12日

安倍訪米とマスコミの矜持B

 こんなに首脳会談を高く評価していいものなのでしょうか。
 新ガイドラインの柱となる安全保障法制は与党内の協議が続いている段階だったし、法案もまとまっていません。にもかかわらず、安倍首相はオバマ大統領に集団的自衛権行使の根拠となる法案を「今年夏までに成立させる」とまで言い切りました。国会審議を前に、早々と米国に成立を約束してしまったのです。
野党は一斉に反発していますが、首相はどこ吹く風です。自民の1強多弱、安倍1強の国会ですから、首相は自分で何でもできると思ったのかもしれません。

 勢い込む首相に警鐘を鳴らした新聞もあります。
 毎日新聞は30日付の社説は「日米同盟 中国けん制に偏らずに」と次のように指摘しています。
「演説で際立ったのは、中国の軍事的拡張や中国中心の経済秩序を日米同盟によって抑止またはけん制しようとする意図だ。
 首相はアジアの海について『三つの原則』を提起した。国際法に基づいて主張すること、自己主張のために武力や威嚇を用いないこと、そして紛争の解決は平和的手段によること、である。
 名指しこそ避けたものの、中国向けに語られたことは明らかだ。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)についても『単なる経済的利益を超えた、安全保障上の大きな意義がある』と強調した。」

 東京新聞も同日付の社説「日米首脳会談 物言う同盟でありたい」でこう書いています。
「首相は首脳会談後の共同会見で「中国の海洋進出などを念頭に『いかなる一方的な現状変更の試みにも一致して断固反対する』と表明し、大統領も中国による南シナ海での岩礁埋め立てや施設建設に日米が懸念を共有していることに言及した。」

 日米同盟の重要性を強調するあまり、歴史問題で強硬な中国をヤリ玉に上げるようでは、アジア情勢を逆に難しくするのではないか、という指摘です。誰だって、自分を「敵役」にされていい気はしないし、対抗措置を取るのは目に見えているからです。 (つづく)
posted by 裁判官 at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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