2016年07月29日

都知事選のスキャンダルの裏に何が?



「面白くなければテレビではない」

とテレビ視聴率で他の放送局を慌てさせたフジテレビの不振が話題になっているのは誰でも知っている。

ところで、東京都知事選が始まってから東京都民だけでなく、

全国の関心を引き付けているのが、

野党統一候補となったジャーナリスト出身の鳥越俊太郎の「過去」を暴き出すスキャンダラスな記事だ。

週刊誌が読者の目を引き付ける見出し(中身はないが)で部数を稼ぐのは今に始まったことではない。

読者の好奇心をくすぐり、新聞では分からないような下世話な話題も提供する。

そんな週刊誌の特性だが、

新聞も首をかしげるような週刊誌の見出しを真似て、

新聞も読者受けするような見出しを使うようになった(週刊誌ほど下品ではないが)のは、そんなに古い話ではない。

今回の東京都知事選を巡る鳥越俊太郎に関する記事は、

どんな言い訳をしようとも選挙妨害でしかない。

ネタ元はどこなのか、

埃にまみれた取材メモ≠ェ

都知事選のタイミングで息を吹き返すとは、まともな取材を経験してきた者には全く信じ難い編集である。

週刊文春は先の参院選で、

「安倍首相から直接出馬を要請された」という「トンデモ候補」の出馬について、

彼の記者時代の過去を滔々と書いたが、トンデモ候補は比例で上位当選を果たした。

彼の当選は文春にとっては想定外だったろう。

「売れればいい」ーーは前述のフジテレビの発想と同じだ。

選挙戦最中に、それも根拠があいまいでフォロー取材を欠いた記事を、堂々と誌面にでかでかと載せる感覚は理解を超える。

記事は言うまでもなくデスクワーク、編集責任者の目を経て読者のもとに届く。

当事者はともかく、一般読者は記事に驚きするし、

ガセネタだと一笑にふす人も様々だ。

だが間違いなく、その週刊誌は売れる。話題の選挙ともなれば、通常の2〜3倍は売れるだろう。

紙面の限られた新聞の足りなさを埋めて読者に事件や事故の詳細を届けるのが週刊誌の使命の一つだ。

それが、フジテレビ並みに

「面白ければ」「読者が喜べば」いいなどと軽く考えて店頭に並べられたのでは、

単なる下ネタ雑誌と同じではないか。

だが私が問題だと思うのは、前述したが、

こんなスキャンダル記事が出てきた背景である。

一義的には記者、編集者に問題があるのは間違いないが、

それを「引き出し」、そして「火をつけた」存在の有無である。

選挙に「人気投票」の一面があるのは事実だ。

と同時に、政治・行政のかじ取りを選ぶ手続きだから、

それらに関わる個人や組織にとっては「戦い」でしかない。

勝つためには手段を択ばない。

僅差であろうが、勝ってなんぼの世界だ。

そこには様々な思惑が入り乱れる。

週刊誌が政争に利用されたのか、そうではないのか。

それを見極めることは難しいが、

週刊誌記事の良し悪しを言い合っているだけでは真相は見えない。



posted by 裁判官 at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京都知事選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする